2022年12月11日(日)、東京大学駒場キャンパスにおいて、第一高等学校・東京大学弁論部主催による、「第41回 東京大学総長杯争奪 全国学生弁論大会」(以下、東大総長杯)が開催されました。上智大学弁論部からは青木研人部長が弁士として登壇し、「嚆矢」(こうし)の演題で全十二弁士中最高評価を得て、みごと最優秀賞と東大総長杯を上智大学にもたらしました。
全国の大学弁論大会の中でとりわけ格式高い大会でもある東大総長杯は、その歴史の長さ、登壇する弁士の質の高さで有名です。会場となった“900番講堂”は、そのむかし三島由紀夫が単身乗り込み東大全共闘と激論を繰り広げた「伝説の討論会」の会場としても有名です。青木研人は第九弁士として100人を超える聴衆の前に立ちました。そのひとりひとりが、一世紀以上の歴史を持つ錚々たる強豪大学弁論部の猛者たちです。彼らを相手に、演題「嚆矢」にて持ち時間30分(弁論15分、質疑応答15分)をフルに使い、初陣とは思えない雄弁を振るいました。弁論大会特有の、スピーチ途中に聴衆から不規則に発せられるヤジにも青木研人は巧みに応酬し、会場を沸かせ、何度も拍手をもらいつつ、持ち時間を終えることが出来ました。
上智大学弁論部部長として恥ずかしくない弁論を意識して全力で臨みました。聴衆はもちろん他の弁士からも好評価を得て大いに励まされました。弁論終了後、講堂の外に出てひとり上着を脱いだところ、身体から白い湯気が出ていることに気づきました。自分の人生の中でも忘れられない、激しい30分間でした。今回は最優秀賞という身に余る評価をいただきましたが、大先輩である審査員のみなさまから“今後全力を尽くして弁論活動に励め”という叱咤激励をいただいたと理解し、これからも精進したいと思っています。応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
上智大学弁論部部長 青木研人(法学部国関1年生)
内容
第九弁士 青木研人
演題 :「嚆矢」(こうし)
テーマ:アジア太平洋地域における教育問題
論旨:
自身の経験に基づき、アジアパシフィック地域、特に初等・中等・高等教育が絶対的に不足している地域に対する問題意識を提起し、新たな価値観を提唱する弁論を行う。戦争、宗教上の制約、貧困、性差別、世界には様々な障害のために教育を受けられない子供たちが存在する。コロナウイルスの猖獗は教育の不足に拍車をかけるだろう、そう誰もが思った。しかし、その実、オンラインテクノロジーの半強制的な流行により、、、(以下、略)
*嚆矢:こうし、または、かぶらや。射ると大きな音がする矢。昔中国で、開戦の合図として使われた。転じて、物事の初め。最初。
*ヤジ:弁論大会では、伝統的にヤジが許されている。聴衆から不規則に発せられるヤジは、時に演者を奮い立たせるものもあれば、時に致命傷を与えることもある。このヤジに対応することが演者の弁論能力を測るひとつのバロメーターともなる。
結果
優勝 :青木研人:上智大学弁論部(部長)
準優勝:板屋日南:第一高等学校・東京大学弁論部(部長)
第三席:小山瞳子:東京農業大学農友会講演部(演練幹事)
(敬称略)
大会概要
- 名称 :第41回 東京⼤学総⻑杯争奪全国学⽣弁論⼤会
- 開催日時:2022年12月11日(日)
- 開催場所:東京大学駒場キャンパス 900番講堂
- 主催 :第一高等学校・東京大学弁論部
- 後援 :朝日新聞社、第一高等学校・東京大学弁論部OB会「縦の会」
- 参加大学:慶應義塾大学辯論部、中央大学辞達学会、SSH、学習院大学輔仁会弁論部、國學院大學辯論部、東京農業大学農友会講演部、早稲田大学雄弁会、明治大学雄弁部、上智大学弁論部、日本大学法秋雄弁会、法政大学弁論部、第一高等学校・東京大学弁論部(発表順)
参考
東京大学弁論部 Twitter 東大総長杯結果発表の投稿
以上